中級編約35分
中級① 開発環境を本格化する(CLAUDE.md・スキル・MCP)
AIに“申し送りノート”を持たせる。精度と安定感が一段上がるハーネス構築
中級編へようこそ!初級編で作った my-app を、ここから“使われるサービス”に育てていきます。その前に今日は、開発の相棒であるAIの仕事環境を整えます。プロの現場ではこれをハーネス(harness:馬具・装備)構築と呼びます——AIが実力を出せるように装備を着せる、という意味です。
今日のゴール
CLAUDE.md(AIへの申し送りノート)とスキル(定型作業の1コマンド化)をmy-appに備えること。今日の装備は、中級編の残り全部のレッスンで効いてきます。
STEP1:なぜ毎回説明し直しているのか?
AIとの会話は、新しいチャットを開くたびに記憶がリセットされます。「このアプリはNext.jsで、Supabaseでログインがあって…」と毎回説明するのは面倒だし、説明し忘れるとズレた提案をされる。そこで登場するのが CLAUDE.md——リポジトリの一番上に置く、AIが作業前に毎回自動で読むメモです。
- CLAUDE.md
- AIへの申し送りノート。プロジェクトの説明・約束ごとを書いておくと、毎回読んでから作業してくれる。
- スキル
- よく頼む定型作業を“1コマンド”にまとめたもの。/コマンド名 で呼び出せる。
- MCP
- AIに外部の道具(DB・デザインツール等)をつなぐ差し込み口。無料講座のMCPの回の実物。
STEP2:CLAUDE.mdをAI自身に書かせる
中身は自分で書いてもいいのですが、プロジェクトを一番知っているのはAI自身。リポジトリを読ませて書かせるのが手っ取り早いです。
このリポジトリの内容を調べて、CLAUDE.md を作って。入れてほしい内容:①このアプリが何か(ひとこと)②技術構成(Next.js App Router / Tailwind / Supabase)③コードの約束ごと(文字列はダブルクォーテーション、コメントは日本語、デザインの方針)④よくある作業の手順(mainに反映したらVercelが自動デプロイ、環境変数の変更後はRedeploy)⑤絶対にやってはいけないこと(service_roleキーをコードに書かない、RLSを無効にしない)。まず計画を見せて。できあがったCLAUDE.mdを自分でも読んでみてください。「うちのアプリの取扱説明書」になっているはず。違うところがあれば「⑤に〇〇も足して」と直せばOK。あなたの“こだわり”が増えるたびに、ここに追記していきます。
STEP3:効果を確かめる
新しいチャットを開いて、何の説明もせずに「メモ一覧の見た目をもう少し整えて」とだけ頼んでみてください。以前なら「どのファイルですか?」となりがちだった場面で、技術構成もデザイン方針も分かった上で動いてくれるはず。毎回の説明が要らなくなる=指示が短くなる=ズレが減る。これがハーネスの効果です。
STEP4:定型作業を“スキル”にする
初級⑥でやった「公開前チェック」、毎回長い文章を打つのは大変ですよね。ああいう何度も頼む定型作業は、スキル(カスタムコマンド)にしてしまいます。
Claude Codeのスキルとして .claude/skills/release-check/SKILL.md を作って。内容:このアプリの公開前チェック一式(秘密情報がコードに混ざっていないか・スマホ表示・変な入力で壊れないか・SupabaseのRLS漏れ・ビルドが通るか)を実行して、結果を報告する。mainに反映して。次からは /release-check と打つだけで、フルセットの点検が走ります。「新しいページを作るときの手順」「リリースノートを書く」など、自分がよく頼むことをどんどんスキル化していくと、開発がどんどん速くなります。
STEP5:MCPは“使いたくなったら”でOK
もう1つの装備がMCP。AIがSupabaseのテーブルを直接見たり、Figmaのデザインを読んだりできるようになる道具の差し込み口です。Claude Codeの設定画面(コネクタ/MCP)から追加できます。ただし無料講座でも学んだとおり、MCPはAIに“手”を与えるもの。提供元が信頼できる公式のものだけを、必要になったときに入れる——今日は場所と注意点だけ覚えておけば十分です。
ハーネスにも秘密は書かない
CLAUDE.mdやスキルはリポジトリに入るファイルです。APIキーやパスワードは絶対に書かないこと。「鍵は環境変数へ」のルールはここでも同じです。
おさらい:今日使った“言葉”
- ハーネス構築
- AIが実力を出せるように装備(メモ・コマンド・道具)を整えること。
- CLAUDE.md
- 毎回自動で読まれる申し送りノート。こだわりが増えたら追記。
- スキル
- 定型作業の1コマンド化。/release-check のように呼ぶ。
- MCP
- 外部道具の差し込み口。信頼できる公式のものだけ。
中級①・完成チェック
0 / 4つまずいたら
①CLAUDE.mdが読まれていない気がする→ファイルがリポジトリの一番上(ルート)にあるか確認。②スキルが呼べない→「.claude/skills の構成が正しいか確認して」とAIに点検させる。③書く内容に迷う→最初は薄くてOK。育てるものです。
お疲れさまでした!
AIとの開発が「毎回ゼロから」から「積み上げ」に変わりました。次回②は、装備を整えたmy-appにお問い合わせフォーム+メール通知——サービスらしさの第一歩を付けます。