中級編約40分
中級③ アプリにAIを組み込む(Claude API)
自分のサービスがAIをしゃべる。APIキー・トークン・コスト管理まで一気に
今日はこの講座の華、自分のアプリにAIを組み込む回です。メモ帳に「AIにひとことコメントをもらう」ボタンを付けます。保存したメモをClaudeが読んで、励ましや要約をひとこと返してくれる——あなたのサービスがAIをしゃべり出します。
今日のゴール
Claude APIをサーバー側から安全に呼び、コストの仕組みと上限設定まで理解すること。お金の話を先に押さえるので、安心して進められます。
STEP1:チャットのClaudeとAPIのClaudeは“別契約”
まず一番の混乱ポイントから。あなたが普段使っているclaude.aiの有料プランと、API(プログラムから呼ぶ窓口)は別の契約です。APIは使った分だけ払う従量課金で、料金はトークン(AIが読み書きする文字のかけら。日本語はだいたい1文字1〜2トークン)の量で決まります。
- console.anthropic.com(開発者向けConsole)にサインアップ。
- Billing(支払い)でクレジットを購入(最低$5から。今日の実験には十分すぎる額です)。
- 同じくBillingの設定で月の上限(スペンドリミット)を低めに設定——これで「気づいたら高額請求」は構造的に起きません。
STEP2:料金感覚をつかむ
| モデル | 特徴 | 入力/100万トークン | 出力/100万トークン |
|---|---|---|---|
| Claude Opus 4.8 | 最上位・標準のおすすめ | $5 | $25 |
| Claude Sonnet 4.6 | 速さと賢さのバランス | $3 | $15 |
| Claude Haiku 4.5 | 最速・最安 | $1 | $5 |
「100万トークン」と言われてもピンと来ないですよね。今日作る機能の1回分(入力500・出力300トークンくらい)だと、Opus 4.8で約1.5円、Haiku 4.5なら0.3円程度。個人の実験は数十円の世界です。モデルはコードの1行で差し替えられるので、まず賢いモデルで作り、量が増えたら安いモデルに——が定石です。
STEP3:APIキーを発行して環境変数へ
- Consoleの「API Keys」→「Create Key」。名前は my-app など。
- 表示されたキー(sk-ant-…)をコピー——一度しか表示されません。
- Vercelの環境変数に ANTHROPIC_API_KEY として追加→Redeploy。
このキーは“クレジットカードにつながる鍵”
漏れたら他人があなたのお金でAIを使えます。NEXT_PUBLIC_を付けない(サーバー専用)・コードに直書きしない・AIのチャットにも貼らない。②で学んだ区別の、いちばん大事な実戦です。
STEP4:AIに実装してもらう
メモ一覧の各メモに「AIにひとこともらう」ボタンを付けたい。押すと、そのメモの内容をClaude APIに送って、励ましや気づきのひとことコメント(100文字以内)を表示する。実装の条件:@anthropic-ai/sdk を使う。APIを呼ぶのはサーバー側(Route Handler /api/ai-comment)だけにして、ブラウザから直接Anthropicに接続しない。環境変数 ANTHROPIC_API_KEY を使う。モデルは claude-opus-4-8、max_tokens は 300。ログインしているユーザーだけが使えるようにする。連打できないようボタンは処理中は無効に。まず計画を見せて。実装されたら、コードの心臓部だけ覗いてみましょう。読めなくて大丈夫、形だけ。意味はこのあと説明します。
import Anthropic from "@anthropic-ai/sdk";
// 環境変数 ANTHROPIC_API_KEY を自動で読んでくれる
const client = new Anthropic();
const response = await client.messages.create({
model: "claude-opus-4-8", // どの“頭脳”を使うか
max_tokens: 300, // 出力の上限(暴走防止&コストのフタ)
messages: [
{ role: "user", content: "このメモに励ましのひとことを:(メモの内容)" },
],
});- model
- 使うモデルの指定。ここを1行変えるだけで頭脳を差し替えられる。
- max_tokens
- 出力の上限。必須項目。長文の暴走を防ぎ、1回あたりのコストにフタをする。
- messages
- AIへの依頼文。チャットで打っていたことを、プログラムが代わりに送っている。
STEP5:動かして、コストを見る
- 公開URLでメモを開き、ボタンを押す→AIのひとことが表示されたら成功!
- 何回か遊んだら、Consoleの Usage を開く——使ったトークン数と金額が出ています。
- 「この機能を1000人が毎日使ったら?」を概算してみる。コストを見積もれる人は、AI機能を自信を持って公開できます。
おさらい:今日使った“言葉”
- API(従量課金)
- プログラム向けの窓口。チャットの定額プランとは別契約。
- トークン
- AIが読み書きする文字のかけら。料金の単位。日本語は1文字1〜2トークン。
- スペンドリミット
- 月の上限額。最初に低く設定しておけば事故が起きない。
- サーバー側で呼ぶ
- 鍵を持つのはサーバーだけ。ブラウザからAIを直接呼ばない構成が鉄則。
中級③・完成チェック
0 / 4つまずいたら
①401や403のエラー→キーの値が正しいか・Redeployしたかを確認。②529や429→混雑か呼びすぎ。少し待って再実行。③返事が長すぎ/短すぎ→依頼文(プロンプト)に「100文字以内で」など条件を足す。エラー文はいつもどおり、まるごとAIへ。
お疲れさまでした!!
AI機能を自前のサービスに組み込めた——これは現在もっとも需要のあるスキルのひとつです。要約・翻訳・分類・添削…同じ型で何でも作れます。次回④は、作ったサービスを見つけてもらうための集客装備(SEO・OGP・AI検索対応)です。